放射線の跡をあとで読む。CR-39とラジオクロミックフィルムで国試に問われる3つ
放射線が物に残した跡(α線の通り道の傷や色の変化)を、あとから読む方法があります。CR-39 で飛跡を数える仕組み、ラジオクロミックフィルムの空間分解能と注意点(照射後の濃度上昇・温度・読み取り方向・校正曲線)。診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。
実際に国試に出た1問です。まず、その場で解いてみてください。
① 解く(第77回 午前 問69)
飛跡を利用した放射線検出器はどれか。
CR-39、フリッケ線量計、ラジオクロミックフィルム。電気を使わない測り方は、それぞれの特徴がばらばらで覚えにくい。そういう人は多いです。
でも大丈夫です。どれも「放射線が物に残した跡を、あとから読む」。何の跡かが違うだけです。
この記事の答えは3つです。
- 放射線は、当たった物に跡を残すことがある。その跡をあとで読む
- CR-39 は、α線の通り道に残った細い傷(飛跡)を数える
- ラジオクロミックフィルムは色の変化で読む。空間分解能は最も高いが、線量は校正曲線を通さないと読めない
1. 跡をあとで読む
放射線は、当たった物に跡を残すことがあります。通り道の傷や、色の変化。その跡を、あとから読めばいい。電子をためて光らせる線量計とは別の、もう一つの読み方です。
2. CR-39 は傷を数える
傷が残るのは、CR-39 というプラスチックの板です。α線は電荷が大きく、通り道にぎっしりエネルギーを渡すので、そこだけ板が壊れて細い傷が残ります。あとでエッチングして傷を浮き上がらせ、数えます。
同じ板にX線を当てても、傷は残りません。X線が作る電子は、通り道にまばらにしか渡さないからです。上の過去問「飛跡を利用した放射線検出器」の答えが CR-39 なのは、このためです。
3. ラジオクロミックフィルムは色で読む
ラジオクロミックフィルムは、放射線で色が変わります。現像はいりません。色は点ごとにつくので、当たった形の端までくっきり見える。第73回 午前 問81(空間分解能が最も優れているもの)の正解はこれです。

ただし、読むときの注意があります。
- 照射したあとも、しばらく色が濃くなる
- 温度や、読み取る向きで値が変わる(第73回 午前 問82 の正解は「読み取り方向の依存性がある」)
- 色の濃さから線量へは、校正曲線を通さないと直せない(第75回 午前 問82 の正解は「線量は直接読み取れない」)
フリッケ線量計も、鉄イオン(Fe²⁺ → Fe³⁺)という化学変化を読む仲間です。
よくある取り違え
- 「X線でも CR-39 に傷が残る」:残りません。ぎっしり渡す重い粒子の跡です。
- 「ラジオクロミックフィルムは照射後に変化しない」:照射後も濃くなります。
- 「色の濃さがそのまま線量」:校正曲線が要ります。
今夜やること
寝る前に、何も見ずに「CR-39 は α線の傷を数える」「フィルムは色、分解能は最高、校正曲線が要る」と言ってみてください。言えたら、上の過去問をもう一度だけ解く。言えなかったら、3章だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。
電子をためて光らせる線量計は積算型線量計の記事にあります。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
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