原子核は「陽子と中性子の数」で数える。国試で問われる3つを、過去問で押さえる
原子核の中身は陽子と中性子の2種類だけ。陽子の数が元素を決める理由、中性子の数=質量数−原子番号、同位体・同中性子体・核異性体の呼び分け。診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。
実際に国試に出た1問です。まず、その場で解いてみてください。
① 解く(第78回 午前 問61)
同中性子体の関係にある組合せで正しいのはどれか。
同位体、同重体、同中性子体、核異性体。名前が似ていて、どれがどれだったか毎回迷う。そういう人は多いです。
でも大丈夫です。原子核は、陽子の数と中性子の数で数えるだけ。どの数が同じかを見れば、呼び名は自然に決まります。
この記事の答えは3つです。
- 原子核の中身は、プラスの陽子と、電気のない中性子の2種類だけ
- 元素を決めるのは陽子の数。中性子の数が違っても、同じ元素のまま
- 呼び名は「どの数が同じか」で決まる
1. 中身は陽子と中性子だけ
原子核に入っているのは、2種類の粒だけ。プラスの陽子と、電気のない中性子です。陽子の数が Z(原子番号)、中性子の数が N、全部の数が A(質量数)で、A=Z+N。
どれも重さではなく個数です。同じ核を、2通りに数えているだけ。
2. 元素を決めるのは陽子の数
陽子のプラスは、同じ数の電子を引きつけます。元素の性質は、この電子で決まる。電気のない中性子は、電子を集めません。
だから炭素の核に中性子を1個足しても炭素のまま。陽子を1個足すと、電子も1個増えて窒素に変わります。全部の数は、どちらも13なのに。
体の中でも同じです。中性子の数が違うヨウ素には放射線を出すものがありますが、陽子の数は同じなのでヨウ素のまま。体は区別せず、ふつうのヨウ素と同じく甲状腺に集めます。

3. 呼び名は「どの数が同じか」
| 同じもの | 呼び名 |
|---|---|
| 陽子の数(Z) | 同位体 |
| 全部の数(A) | 同重体 |
| 中性子の数(N) | 同中性子体 |
| Z も N も A も同じで、エネルギーだけ違う | 核異性体 |
上の過去問は、中性子の数=A−Z を出して比べる問題でした。第74回 午後 問70(陽子数・中性子数・質量数は等しいが、エネルギー準位の異なる核種)の正解は核異性体です。
よくある取り違え
- 「全部の数が同じなら中性子も同じ」:違います。¹⁴N と ¹⁴C は全部の数が同じ同重体で、中性子は7と8です。
- 「中性子が増えると元素が変わる」:変わりません。元素を変えるのは陽子の数です。
今夜やること
寝る前に、何も見ずに「中性子の数=質量数−原子番号」と言って、¹⁵N の中性子の数を出してみてください。8と出せたら、上の過去問をもう一度だけ解く。出せなかったら、1章だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。
陽子と中性子の数が壊変でどう変わるかは放射性壊変の記事にあります。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
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