ためて、あとで光らせて読む。積算型線量計で国試に問われる3つを、過去問で押さえる
TLD・OSL・蛍光ガラス線量計は、放射線に剥がされた電子を結晶のわなにためておき、あとから光らせて読む積算型。刺激が熱・光・紫外線と違うこと、蛍光ガラスは読んでも消えないこと。診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。
実際に国試に出た1問です。まず、その場で解いてみてください。
① 解く(第74回 午前 問79)
蛍光ガラス線量計について正しいのはどれか。
TLD、OSL、蛍光ガラス線量計。どれが熱で、どれが光で、どれが繰り返し読めるのか、組合せ問題になると混ざる。そういう人は多いです。
でも大丈夫です。3つとも同じ仕組みで、違うのは「何で光らせるか」だけ。そこから性質の違いも出てきます。
この記事の答えは3つです。
- 剥がされた電子を結晶のわなにためて、あとから光らせて読む(積算型)
- 光らせる刺激は、熱なら TLD、光なら OSL、紫外線なら蛍光ガラス
- TLD は読むと消える。蛍光ガラスは読んでも残るので、何度でも読める
1. ためて、あとで光らせる
ふつうの物では、放射線に剥がされた電子はすぐ元に戻って、何も残りません。でもこの結晶には、電子が落ちこむわながあって、自分ではなかなか出られない。だから浴びた分だけ、たまっていきます。
あとから刺激すると、たまった電子の分だけ光る。その光の量で、浴びた量を読みます。これが積算型の線量計で、上の過去問の答えです。

2. 刺激の違いで名前が変わる
| 線量計 | 光らせる刺激 |
|---|---|
| TLD(熱ルミネセンス線量計) | 熱 |
| OSL(光刺激ルミネセンス線量計) | 光 |
| 蛍光ガラス線量計 | 紫外線 |
第75回 午後 問81 の選択肢「蛍光ガラス線量計 ― 加熱特性」「熱ルミネセンス線量計 ― 紫外線照射」は、この表の刺激が入れ替わっているので誤りです(正解は「半導体検出器 ― 放射線損傷」)。
3. 読むと消えるか、残るか
TLD は、熱で光らせると電子がわなから出ていきます。だから、もう一度温めても光りません。
蛍光ガラスは、紫外線で光っても電子はわなに残ります。だから何度でも読める。時間がたって読みが減っていく(フェーディング)のも小さい線量計です。
放射線を扱う人は、これを胸につけて働きます。ひと月たってから読むと、そのひと月に浴びた合計がわかります。
よくある取り違え
- 「蛍光ガラスは繰り返し読めない」:読めます。読めないのは TLD です。
- 「蛍光ガラスは TLD よりフェーディングが大きい」:小さいです。
- 「積算型は線量率を測る」:積算型が読むのは、ためた合計です。
今夜やること
寝る前に、何も見ずに「熱は TLD、光は OSL、紫外線は蛍光ガラス」と言ってみてください。言えたら、上の過去問をもう一度だけ解く。言えなかったら、2章の表だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。
素子の材料で読みがずれる話はエネルギー依存性の記事にあります。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
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