卒試が不安な人へ
国試の前に、もうひとつ山がある
国試の勉強だけで、もう手いっぱい。 なのに、その手前にもうひとつ山がある。
卒試です。
「これに落ちたら、国試も受けられないんだよね」 「去年、先輩が何人か落ちたらしいよ」
こういう話って、なぜか休み時間にだけ回ってきます。 そして、聞いた日の夜は、だいたい勉強が手につきません。
この記事では、元・診療放射線技師の私が、卒試ってそもそも何のためにあるのかを、学校の側から見てみます。
見方が変わると、卒試はちょっとだけ、こわくなくなります。

まず、落ちたらどうなるのか
こわい話から先に、短く済ませます。
国試の願書は、「卒業見込み」で出せます。 でも試験のあと、3月11日までに本物の卒業証明書を出さないと、国試は受かっていても原則として無効です(厚生労働省の受験案内)。
つまり、卒業できなければ国試もおしまい。 「卒試に落ちたら終わり」と言われるのは、本当です。
……はい、こわい話は以上です。 ここからが本題です。
学校の本音を考えてみる
学校は、就職率と同じくらい、国試の合格率を大事にしています。 パンフレットの、いちばん目立つところに載る数字です。
合格率は、受けた人のうち何人が受かったか。 受けなかった人は、数に入りません。
ということは、学校にとって合格率を守るいちばん確実な方法は、 落ちそうな人に、そもそも受けさせないことです。
卒試は、そのためのふるいだと私は思っています。 学校が「そうです」と言うことは、まずないと思いますが。
知恵袋にも、同じことを書いている人がいます。
国家試験に受からなさそうな学生は学校の合格率を上げるために卒試で落とし、国家試験の受験資格を与えてもらえません。
(Yahoo!知恵袋のベストアンサー)
ちなみに第78回の国試では、新卒で出願したのに受けなかった人が346人、約1割いました(厚生労働省)。 理由は公表されていないので、全員が卒試というわけではありません。 でも、出願から本番までのあいだに、これだけの人が抜けています。
ここまで読んで、「やっぱりこわいじゃん」と思った人。 大丈夫です。ここから、ひっくり返します。
ふるいだからこそ、受かったら強い
卒試がふるいなら、学校はどこに線を引くか。 国試に受かるかどうか、です。
つまり、卒試に受かったということは、 学校が「この人は国試に届く」と判断した、ということです。
何年もたくさんの学生を国試に送り出してきた先生たちが、です。 その人たちが「いける」と見た。 これ以上の見込みのしるしって、なかなかありません。
だから卒試は、国試の前の実力試しだと思ってください。 受かったら、ひとまず胸を張っていいです。

卒試の難しさは学校によって違って、国試より厳しめに作る学校もあります。 でも、それなら受かったときの安心も、そのぶん大きい。 どちらにしても、卒試の勉強はそのまま国試の勉強です。損をする勉強はひとつもありません。
いま点が届いていない人へ
ふるいの話を聞いて、余計にこわくなった人もいると思います。 学校の模試の点が、まだ届いていない人。
でも、学校が見るのは卒試の日の点です。 今日の点ではありません。
まだ時間はあります。 そして、点の伸ばし方は、卒試も国試も同じです。
間違えた問題を、「なぜその答えになるか」まで戻って解き直す。 答えを覚えた問題は、聞き方を変えられると、また落とします。 理由が言えるようになった問題は、聞き方が変わっても解けます。
1日1問でも、それを続けた人が強いです。
おわりに
卒試が不安なのは、国試を本気で受けようとしているからです。
卒試は、あなたをいじめるための試験ではなく、 学校が「国試に届くかどうか」を確かめるための試験です。 受かったら、それはあなたが国試に届くというしるしです。
今日やることは、ひとつだけ。 学校の模試か過去問で間違えた問題を1問選んで、なぜその答えになるかまで戻って解き直す。
それが卒試の勉強で、そのまま国試の勉強です。
最後に1問、実際に国試に出た問題です。卒試の前の、小さな実力試しのつもりでどうぞ。
① 解く(第73回 午後 問70)
静止エネルギーが最も大きいのはどれか。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp