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反応はエネルギーと Z で決まる。国試で問われる3つを、過去問で押さえる

光子がどの反応を起こすかは、光子のエネルギーと物質の原子番号 Z で決まります。低いエネルギー・大きい Z は光電効果、中間はコンプトン散乱、高いエネルギーは電子対生成。骨が白く写る理由と光核反応まで、診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。

実際に国試に出た1問です。まず、その場で解いてみてください。

① 解く(第76回 午後 問71)

60 keV 光子の水中における全相互作用数に対するコンプトン効果の寄与の割合[%]に最も近いのはどれか。

光電効果、コンプトン散乱、電子対生成。それぞれは覚えたのに、「この条件ではどれが主か」と聞かれると迷う。そういう人は多いです。

でも大丈夫です。決め手は2つだけ。光子のエネルギーと、相手の原子の陽子の数 Z。この2つで、どの反応が勝つかが決まります。

この記事の答えは3つです。

  1. エネルギーが低いと光電効果、上げるとコンプトン散乱、うんと上げると電子対生成
  2. Z が大きいほど、光電効果の範囲が広がる
  3. だから、Z の大きいカルシウムを含む骨はX線を止めて、白く写る

1. エネルギーで主役が入れ替わる

光子のエネルギーが低いほど、電子は全部を受け取りやすい。だから低いエネルギーでは光電効果。上げるとコンプトン散乱が主役になり、うんと上げると電子対生成が出てきます。

上の過去問の水は、Z の小さい原子ばかり。光電効果が勝つのはごく低いエネルギーだけで、60 keV ではもうほとんどがコンプトン散乱です。

2. Z が大きいほど、光電効果が広がる

Z が大きいほど、陽子が電子を強く引っぱって縛ります。強く縛られた電子ほど、全部を受け取りやすい。だから Z が大きい物ほど、光電効果が勝つ範囲が高いエネルギー側へ広がります。

同じエネルギーの光子でも、水ではコンプトン散乱、鉛では光電効果、ということが起きるのはこのためです。

3. 骨が白く写る理由

同じX線を、筋肉と骨に当てる。筋肉は水と同じ、Z の小さい原子ばかり。骨には Z の大きいカルシウムが入っています。だから骨では筋肉より光電効果がずっと多く起きて、X線が消える。

レントゲン写真は、X線が届いた所が黒くなります。骨の所は届かないので、白く写ります。

同じX線を筋肉(Z小)と骨(Z大)に当てると、骨の下だけX線が届かず写真が白く残る様子

もう一つ、約 10 MeV 以上では、光子が原子核に吸収されて中性子などをたたき出す光核反応も起きます。第74回 午後 問80(10 MV 以上の加速器から中性子が出る相互作用)の正解はこれです。

よくある取り違え

  • 「エネルギーが高いほど光電効果が増える」:逆です。低いほど増えます。
  • 「Z が変わっても主役は同じ」:変わります。Z が大きいほど光電効果の範囲が広い。

今夜やること

寝る前に、何も見ずに「低い・大きいZは光電」「中間はコンプトン」「うんと高いと電子対」と言ってみてください。言えたら、上の過去問をもう一度だけ解く。言えなかったら、1章だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。

光電効果そのものの中身は光電効果の記事にあります。

この記事を書いた人

田爪 大智

元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。

第一種放射線取扱主任者。

1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。

放射線技師の国試対策アプリを一人で開発中。

診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp

第74回〜第78回の過去問を見る(登録なし)

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