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荷電粒子は「少しずつ渡して止まる」。国試で問われる3つを、動画と過去問で押さえる

陽子やα線のような荷電粒子は、少しずつエネルギーを渡して、決まった距離(飛程)で止まります。止まる直前にいちばん多く渡す理由、速さと電荷で渡す量が変わること、陽子線治療とのつながり。診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。

まず1分、中で起きていることを見てください。そのあと、同じ原理で国試の1問を解きます。

① 見る(1分)

合格ラボのロードマップ「荷電粒子は飛程で止まる」の動画そのものです。

② 解く(第74回 午後 問73)

重荷電粒子と物質の相互作用について正しいのはどれか。

飛程、阻止能、LET、比電離。似た名前が多くて、選択肢で「比例」「反比例」が並ぶと手が止まる。そういう人は多いです。

でも大丈夫です。荷電粒子は「そばの電子を引っぱって、少しずつ渡し、決まった距離で止まる」。この1文と「遅いほど多く渡す」を持っておけば、選択肢はほとんど判断できます。

この記事の答えは3つです。

  1. 荷電粒子は少しずつ渡して、決まった距離(飛程)で止まる
  2. 遅いほど多く渡すので、止まる直前がいちばん多い
  3. だから陽子線は、がんの深さで止めて使える

1. 荷電粒子は少しずつ渡して、決まった距離で止まる

陽子やα線のように電気を持った粒は、物の中を進みながら、そばの電子を電気の力で引っぱってエネルギーを渡します。1回に渡すのは少しだけ。それを何度もくり返して、持っていたエネルギーを使いきったところで止まります。

入口から止まる所までの距離が飛程です。重い荷電粒子は道がほとんど曲がらないので、同じ粒を同じ速さで入れれば、止まる距離はほぼそろいます。

2. 遅いほど多く渡すので、止まる直前がいちばん多い

渡すたびに、粒は遅くなります。遅いほど、そばの電子の近くに長くいるので、長く引っぱって、たくさん渡します。だから、いちばん遅くなる最後、止まる直前に渡す量がいちばん多くなります。

上の過去問(第74回 午後 問73)の正解「比電離は飛程終端部で急激に増大する」は、このことです。

同じ見方で、ほかの過去問も解けます。

過去問正解どう読むか
第77回 午前 問62質量衝突阻止能は、入射粒子のエネルギーに反比例する遅い(エネルギーが小さい)ほど多く渡す
第73回 午後 問738 MeV のα線と 2 MeV の陽子線の比は 4質量あたりのエネルギーが同じ=同じ速さ。違いは電気の大きさで、α線は陽子の2倍の電気を持ち、効き方は2乗で4倍
第75回 午前 問72いちばん大きいのは 10 MeV の炭素線電気が陽子の6倍あり、2乗で効くので、ほかの選択肢を大きく上回る

同じ速さなら、渡す量に効くのは電気の大きさで、粒の重さではありません。ここは選択肢でよく狙われます。

3. だから陽子線は、がんの深さで止めて使える

同じ陽子を速く入れると、はじめは少しずつしか渡さないので、もっと奥まで進み、いちばん多く渡す所も奥へずれます。

これを使うのが陽子線治療です。がんの深さで止まる速さで入れると、いちばん多く渡すのはがん。手前の皮膚には少しだけで、がんの奥には届きません。

よくある取り違え

  • 「速いほど多く渡す」:逆です。遅いほど多く渡します。
  • 「重い粒ほど多く渡す」:同じ速さなら、重さは効きません。効くのは電気の大きさ(の2乗)です。
  • 「電荷数に比例する」:比例ではなく、2乗で効きます。

今夜やること

寝る前に、何も見ずに「少しずつ渡して飛程で止まる」「遅いほど多い」「止まる直前がいちばん多い」の3つを言ってみてください。言えたら、上の過去問をもう一度だけ解く。言えなかったら、2章の表だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。

光電効果の記事では、電気を持たない光子の渡し方を扱っています。比べると、違いがはっきりします。

この記事を書いた人

田爪 大智

元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。

第一種放射線取扱主任者。

1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。

放射線技師の国試対策アプリを一人で開発中。

診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp

第74回〜第78回の過去問を見る(登録なし)

合格ラボ利用者の声

「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん

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