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誤差は2乗して足す。計数の誤差で国試に問われる3つを、過去問で押さえる

数えた値は ±√N だけゆらぎ、別々のゆらぎは引き算でも足し算でも「2乗して足して√」で合わせます。正味計数率の標準偏差、掛け算・割り算での相対誤差、変動係数。診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。

実際に国試に出た1問です。まず、その場で解いてみてください。

① 解く(第75回 午前 問80)

ある放射性試料を計数装置で 2 分間測定して 400 カウントが得られた。また、バックグラウンドのみは 1 分間測定して 100 カウントであった。この試料の正味の計数率[cpm]とその標準偏差[cpm]に最も近いのはどれか。

正味の計数率、標準偏差、変動係数、合成された不確かさ。計算の手順が問題ごとに違って見えて、どこで2乗するのか迷う。そういう人は多いです。

でも大丈夫です。別々のゆらぎは、打ち消し合わない。だから「2乗して足して√」。これ1つで、どの計算も同じ形になります。

この記事の答えは3つです。

  1. 数えた値 N は ±√N だけゆらぐ
  2. 別々のゆらぎは、和でも差でも「2乗して足して√」で合わせる
  3. 掛け算・割り算では、相対誤差を2乗して足す

1. 数えた値は ±√N ゆらぐ

放射線は1個ずつ確率で来るので、数えた値 N は ±√N だけゆらぎます。計数率にするときは、N も √N も同じ時間で割ります。

2. 引き算でも、ゆらぎは消えない

試料を置いて数えた数から、まわりから来る分(バックグラウンド)を引いて、試料だけの数を知りたい。でも、どちらの数もゆらいでいます。

2つは別々に、勝手にゆれます。同じ向きにずれれば打ち消し合うけれど、逆向きにずれると差はもっとずれる。どちらも起きるので、引いた数は、どちらの数よりも大きくゆれます。合わせ方は「2乗して足して√」。足し算でも同じです。

上の過去問は、試料 200±10 cpm、バックグラウンド 100±10 cpm。正味は 100 cpm、ゆらぎは √(10²+10²)≈14 です。

だから試料が弱いと困ります。引いた答えがまわりのゆらぎに埋もれて、試料があるのかないのか、言い切れなくなります。

試料+まわり 45±7 からまわりだけ 36±6 を引くと 9±9 になり、0 に届いてしまう様子

3. 割り算では、相対誤差を2乗して足す

掛け算や割り算では、それぞれの相対誤差(誤差÷値)を2乗して足して√をとります。

第78回 午後 問68(サーベイメータの校正定数)は、2.4/60=0.04 と 5.1/64≈0.08 を合わせて、√(0.04²+0.08²)≈0.09 です。

ばらつきの大きさを平均で割った値が変動係数です。第75回 午前 問78 の6つのカウント値は、平均60・標準偏差約3で、変動係数は約0.05でした。

よくある取り違え

  • 「引き算なら誤差も引き算」:消えません。2乗して足します。
  • 「誤差をそのまま足す(10+10=20)」:大きすぎます。√(10²+10²)≈14。
  • 「計数率の誤差は √(計数率)」:√N を時間で割ります。

今夜やること

寝る前に、何も見ずに「別々のゆらぎは2乗して足して√」と言って、√(10²+10²) を出してみてください。14と出せたら、上の過去問をもう一度だけ解く。出せなかったら、2章だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。

この記事を書いた人

田爪 大智

元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。

第一種放射線取扱主任者。

1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。

放射線技師の国試対策アプリを一人で開発中。

診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp

第74回〜第78回の過去問を見る(登録なし)

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