くっつくと軽くなる。質量欠損で国試に問われる3つを、過去問で押さえる
陽子と中性子はくっつくと軽くなり、減った質量がエネルギーになって出ていきます。質量はエネルギーの一つの姿であること、質量欠損の計算、核反応の Q 値の向き。診療放射線技師国家試験の過去問で確かめます。
実際に国試に出た1問です。まず、その場で解いてみてください。
① 解く(第73回 午後 問70)
静止エネルギーが最も大きいのはどれか。
質量欠損、結合エネルギー、Q 値。計算問題になると、どれをどれから引けばいいのか分からなくなる。そういう人は多いです。
でも大丈夫です。重さ(質量)はエネルギーの一つの姿。くっつくと軽くなり、その分のエネルギーが出ていく。この向きさえ持てば、引き算の順番は迷いません。
この記事の答えは3つです。
- 質量はエネルギーの一つの姿。重いものほど静止エネルギーが大きい
- 陽子と中性子はくっつくと軽くなる。減った分が質量欠損で、出ていったエネルギーが結合エネルギー
- 反応の後が軽ければ、エネルギーが出る(Q 値はプラス)
1. 質量はエネルギーの一つの姿
重さ、つまり質量は、エネルギーの一つの姿です。だから止まっているだけでも、重さの分のエネルギー(静止エネルギー)を持っています。
上の過去問は、いちばん重いα粒子が、静止エネルギーもいちばん大きい、という問題でした。
2. くっつくと軽くなる
陽子と中性子をバラバラのまま量った重さと、くっつけてから量った重さ。比べると、くっついたほうが軽い。エネルギーが出ていった分だけ、軽くなるからです。
逆に、くっついた陽子と中性子を引き離すには、出ていったのと同じだけのエネルギーを外から入れる。すると重さが元に戻ります。
第75回 午前 問70(重水素の質量欠損)は、部品をバラバラで足した合計から本体を引きます。1.0073+1.0087+0.0005=2.0165 u、2.0165−2.0141=0.0024 u、×931.5 で約 2.2 MeV。
3. 後が軽ければ、エネルギーが出る
核反応でも同じです。反応の前の質量から後の質量を引く。後が軽ければ、その分のエネルギーが出てきます。
第76回 午後 問74(D+T → ⁴He+n)は、前が 2.014+3.016=5.030 Da、後が 4.002+1.009=5.011 Da。0.019 Da 軽くなるので、×930 で約 18 MeV が出ます。太陽の中で水素の原子核がくっついて光と熱が出るのも、この「くっついて軽くなる」です。

よくある取り違え
- 「くっつくと重くなる」:逆です。くっつくと軽くなります。
- 「Q 値は後−前」:前−後です。後が軽いとプラス(エネルギーが出る)。向きを逆にするとマイナスの選択肢を選んでしまいます。
今夜やること
寝る前に、何も見ずに「くっつくと軽くなる、減った分がエネルギー」と言ってみてください。言えたら、上の過去問をもう一度だけ解く。言えなかったら、2章だけ読み直す。今日はそれでおしまいです。
不安定な核がエネルギーを出して変わっていく話は放射性壊変の記事にあります。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
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