合格率が8.5ポイント下がった第78回。理由と、第79回に向けてやること
第78回の合格率は76.2%でした。前年が84.7%なので、8.5ポイント下がっています。不合格は836人。前年の約570人から47%増えました。
新卒83.8%に対して、既卒は約20.1%。4分の1以下です。落ちてからやり直すのが難しいのは能力の問題ではなくて、カリキュラムも時間も無くなるからです。在学中に決めきるのが、いちばん確率が高い。
合格ラインの120点は毎年動きません。下がったのは問題が難しくなったからで、暗記が効きにくい年でした。やることは3つ。「なぜそうなるか」で覚え直す・苦手科目を先に潰す・間違えた問題を忘れる前に復習する。
第78回の合格率は76.2%。前年から8.5ポイント下がった
2026年3月23日、厚生労働省から第78回診療放射線技師国家試験の合格発表がありました。
| 項目 | 第78回(2026年) | 第77回(2025年) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 受験者数 | 3,506人 | 3,729人 | -223人 |
| 合格者数 | 2,670人 | 3,159人 | -489人 |
| 合格率 | 76.2% | 84.7% | -8.5ポイント |
| 新卒合格率 | 83.8% | 92.2% | -8.4ポイント |
| 既卒合格率 | 約20.1% | 約45.1% | -25.0ポイント |
⚠️ 既卒の行だけは公表値ではありません。厚生労働省が出しているのは「全体」と「うち新卒者」の2つだけなので、既卒は差し引きで出しています。受験者が400〜600人と少ないため、回によって19%〜55%と大きく振れます(第76回は18.8%、第77回は45.1%)。振れ幅は大きいものの、既卒が新卒を上回った回はありません。
合格基準は総得点120点以上かつ0点の科目が1科目以下。配点は1問1点で、第78回は設問不備で1問が採点除外になり199点満点でした(もう1問は「複数の選択肢を正解として採点」なので、こちらは点になります)。
前年の84.7%から一気に8.5ポイント下がりました。下の表で見ると、76.2%より低かったのは第67回(73.8%)・第73回(74.0%)・第70回(75.3%)の3回で、76.2%は4番目に低い数字です。
この記事のポイント
- 第78回の合格率76.2%は「難化年」に該当。前年比-8.5ptの急落
- 不合格者は836人。前年の約570人から47%増加
- 既卒合格率は約20%。再受験は構造的に難しい
- 学校の指定区分で81.4% と 60.1%。新卒どうしでも12.9ポイントの差
- 来年度の第79回に向けて、今から始められる対策を3つ紹介
目次
- なぜ合格率が急落したのか?
- 新卒83.8%・既卒20%の現実
- 学校の区分別で見ると、20ポイント以上ひらいている
- 過去12年の合格率で見る「難化・易化」のサイクル
- 第79回に向けて今すぐやるべき3つのこと
- まとめ
なぜ合格率が急落したのか?
合格ラインの120点(およそ6割)は毎年固定です。つまり合格率が下がったのは、問題が難しくなったことを意味します。
放射線技師の国試では、過去に出題されたことのない角度から問われる「応用問題」が増えると合格率が下がる傾向があります。知識の丸暗記では対応できない問題が増えたとき、暗記に頼って勉強していた受験生が得点を落とします。
120点は11科目あわせて6割正解すればよい計算ですが、苦手科目を放置して得意科目で稼ぐ戦略は、難化年に崩壊します。得意科目も応用問題で点が伸びず、苦手科目はさらに下がるからです。
新卒83.8%・既卒20%の現実
今回のデータで改めて浮き彫りになったのは、新卒と既卒の圧倒的な差です。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 新卒 | 3,084人 | 2,585人 | 83.8% |
| 既卒 | 422人 | 85人 | 約20.1% |
既卒の合格率は約20%。新卒の4分の1以下です。なお厚生労働省が公表しているのは「全体」と「うち新卒者」だけなので、既卒の行は差し引きで出した値です。
これは「既卒者の能力が低い」のではなく、環境の問題です。卒業後は学校のカリキュラムがなくなり、仕事をしながら独学で勉強を続けなければなりません。モチベーションの維持も、勉強時間の確保も格段に難しくなります。
今回不合格だった836人の多くが来年の再受験を目指すことになりますが、この構造的な困難を理解した上で対策を立てる必要があります。再受験の具体的な戦略は不合格からの再挑戦ガイドで詳しく解説しています。
学校の区分別で見ると、20ポイント以上ひらいている
合格発表のページには載っていませんが、厚生労働省は学校別の合格者状況も別に公表しています(報道発表資料「第78回診療放射線技師国家試験の学校別合格者状況」令和8年3月23日)。学校ごとの数字まで出ていますが、この資料には「ベスト5・ワースト5等といった記載は差し控えるように」と厚生労働省の要請が明記されているので、ここでは学校名を並べず、指定区分ごとの合計だけを扱います。
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 新卒 | 既卒 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文部科学大臣指定 | 2,654人 | 2,160人 | 81.4% | 86.5% | 23.1% |
| 厚生労働大臣指定 | 848人 | 510人 | 60.1% | 73.6% | 17.2% |
| その他 | 4人 | 0人 | 0.0% | ― | ― |
| 合計 | 3,506人 | 2,670人 | 76.2% | 83.8% | 20.1% |
出典: 厚生労働省「第78回診療放射線技師国家試験の学校別合格者状況」(区分はこの資料の表記どおり。おおまかには文部科学大臣指定が大学・短大、厚生労働大臣指定が養成所にあたります)
同じ試験で21.3ポイントの差があります。しかもこれは既卒の割合の違いだけでは説明できません。新卒どうしで比べても86.5%と73.6%で、12.9ポイントひらいています。
ただ、この数字を「どの学校に行くか」の話として読んでも、いま受験する人には何も変わりません。読み取るべきはこちらです——同じ国家試験でも、置かれた環境によって合格率はこれだけ動く。 環境が有利でない側にいるなら、その分を自分の勉強のやり方で埋めるしかない、ということです。埋め方は次の3つに書きます。
過去12年の合格率で見る「難化・易化」のサイクル
過去12年+今回の推移を見ると、パターンが浮かび上がります。
| 回 | 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第66回 | 2014 | 2,907 | 2,224 | 76.5% | やや難 |
| 第67回 | 2015 | 2,839 | 2,094 | 73.8% | 難 |
| 第68回 | 2016 | 3,016 | 2,377 | 78.8% | 普通 |
| 第69回 | 2017 | 2,939 | 2,511 | 85.4% | 易 |
| 第70回 | 2018 | 2,971 | 2,237 | 75.3% | 難 |
| 第71回 | 2019 | 3,202 | 2,537 | 79.2% | 普通 |
| 第72回 | 2020 | 2,914 | 2,397 | 82.3% | やや易 |
| 第73回 | 2021 | 2,953 | 2,184 | 74.0% | 難 |
| 第74回 | 2022 | 3,245 | 2,793 | 86.1% | 易 |
| 第75回 | 2023 | 3,224 | 2,805 | 87.0% | 易 |
| 第76回 | 2024 | 3,565 | 2,834 | 79.5% | やや難 |
| 第77回 | 2025 | 3,729 | 3,159 | 84.7% | やや易 |
| 第78回 | 2026 | 3,506 | 2,670 | 76.2% | 難 |
出典: 厚生労働省「診療放射線技師国家試験の合格発表について」(受験者数・合格者数・合格率)。※ 右端の「難易度」は公表されているものではなく、合格率の高低からこちらで付けた目安です。
繰り返される「難→易」のサイクル
- 第67回 73.8%(難) → 第69回 85.4%(易)
- 第70回 75.3%(難) → 第72回 82.3%(易)
- 第73回 74.0%(難) → 第75回 87.0%(易)
- 第78回 76.2%(難) → 第79回は?
過去のパターンに従えば、第79回(2027年2月)は易化する可能性があります。しかし「来年は簡単になるだろう」と楽観するのは危険です。
第76回→第77回→第78回の流れを見ると、77回で易化した翌年にすぐ難化しています。サイクルが短くなっている可能性もあり、予想に頼った勉強は通用しません。
どの難易度でも120点を超えられる実力をつけることが、唯一確実な対策です。
第79回に向けて今すぐやるべき3つのこと
来年度の受験生にとって、合格発表の今日が「1年後の合格に向けたスタート地点」です。第78回の結果から学べる対策を3つ紹介します。
なお、第79回(2027年2月受験)の日程・出願期間・受験資格は第79回 診療放射線技師国家試験の日程まとめに整理しています。第79回の施行公示はまだ出ていません(2026年8月時点)。公示が出た当日に更新します。
1. 暗記に頼らず「なぜそうなるのか」を理解する
今回の合格率急落が示しているのは、過去問の答えを暗記するだけでは対応できない問題が増えているということです。
問い方が変わっても正解にたどり着くには、「なぜその答えになるのか」という理屈を理解しておく必要があります。たとえば「CT値で水は0 HUである」と暗記するのではなく、「CT値は水を基準(0 HU)として組織のX線吸収の違いを数値化したもの」と理解する。こうすれば「CT値の基準物質は何か」と聞かれても「水が何HUか」と聞かれても答えられます。
2. 苦手科目を早期に特定して潰す
合格ラインの120点は11科目の合計です。得意科目で稼いで苦手科目をカバーする戦略は、難化年に破綻することが今回のデータで改めて示されました。
全科目で60%以上を目指すのが安全な戦略です。まずは科目選択の戦略を参考に、自分の苦手科目を特定してください。
3. 間違えた問題を「忘れる前に」復習する仕組みを作る
「過去問を3周した」という勉強量ではなく、間違えた問題を忘れる前に復習しているかどうかが合否を分けます。
エビングハウスの実験(1885年)では、1日後に残っていたのは3分の1ほどでした。間違えた問題を1日後、3日後、7日後と最適なタイミングで復習する仕組み(間隔反復) を取り入れることで、記憶の定着率が大きく変わります。
間隔反復の仕組みと効果についてはSRSを使った国試対策で詳しく解説しています。
このデータを見て、何をすべきか?
第78回の合格率76.2%が教えてくれることは明確です。
- 暗記だけでは足りない。 応用問題の増加に対応するには「なぜ」の理解が必要
- 苦手科目の放置は致命的。 難化年は得意科目でもカバーできない
- 一発合格が最重要。 既卒合格率20%の現実を考えると、在学中に決めるべき
合格ラボは、この3つの対策をアプリ側で引き受ける仕組みを備えています。
- AI解説 が1問ずつ「なぜその答えになるのか」を説明(無料プランは最初の5問まで)
- 分析 が科目別の正答率をレーダーチャートで可視化(全科目60%以上が目安)。可視化するところまでで、弱い科目を優先して出題することはしません
- 間隔反復(SRS) が、間違えた問題は翌日、正解した問題は3日後 → 7日後と復習日を決めます。順番を決めるのはアプリ、解くタイミングを決めるのはあなた。マイページの「学習の記録」から、そろそろ忘れていそうな問題だけをまとめて解き直せます
勉強方法を調べる時間は必要ありません。開いて解けば、あとの管理はアプリが引き受けます。
第74回以降の過去問と模擬試験はすべて無料で解けます。まずは試してみてください。
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まとめ
- 第78回の合格率は76.2%。前年84.7%から8.5ポイント急落
- 新卒83.8% vs 既卒約20%。一発合格がいかに重要かが改めて示された
- 不合格者は836人(前年比+47%)。再受験の厳しさを理解した対策が必要
- 過去の傾向では「難化の翌年は易化」だが、楽観は禁物
- 暗記に頼らない勉強法・苦手科目の早期対策・間隔反復による復習が、第79回に向けた3つの鍵
- 過去の合格率推移の詳細は合格率データ12年分の分析記事もご覧ください
同じ問題なら解けるのに、聞かれ方が変わると止まる。 覚えた量の問題じゃなくて、「なぜ」が一段繋がっていないだけなんです。僕も同じ国試を通った元技師で、いまは医療システムを作っています。それでも、1問の「なぜ」に長く止まったことがあります。
だから、国試の1問を「なぜそうなるか」までほどいたものを、1本まるごと置いてあります。手で作ったもので、登録は要りません。15分ほどです。
2027年2月、初見の問題で手が動く側に。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
この記事で学んだことを、アプリで実践する
ブログで読めること
- - 科目ごとの攻略法と考え方
- - 合格率のデータと、その読み方
- - 勉強スケジュールの立て方
アプリでできること
- → 1問ずつ「なぜその答えになるか」を図で追える(無料は10問まで)
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