11科目を均等に勉強するのは非効率。優先順位は3層で決める
「11科目あるから1科目ずつ順番に」という勉強法です。11科目は独立していなくて、ある科目の知識が別の科目の前提になっています。つながりを無視して進めると、理解できないまま暗記に頼ることになります。
「安全管理学が苦手」の正体は、その科目の勉強量ではなく、前提になっている土台科目の理解が足りていないことが多いです。
科目を「土台→専門→横断」の3層で並べます。まず過去問1年分を通しで解いて科目別の正答率を出す。あとは正答率の低い科目=伸びしろの大きいところから潰します。

「全科目まんべんなく」が不合格のもと
「11科目あるから、1科目ずつ順番にやろう」
一見まじめで正しそうなこの勉強法が、実は最も効率が悪い方法です。
なぜか。放射線技師国試の11科目は独立していないからです。ある科目の知識が、別の科目の前提になっている。この「つながり」を無視して順番に進めると、理解できないまま暗記に頼ることになります。
この記事のポイント
- 11科目は「土台→専門→横断」の3層構造で優先順位をつけると効率的
- 苦手科目の原因は、その科目ではなく土台科目(物理・計測・化学)の不足にあることが多い
- 正答率が低い科目=「伸びしろ」として優先的に対策すれば、最短で合格圏に入れる
目次
科目は「3つの層」で考える
11科目を、役割で3つに分けます。

第1層:土台科目(まずここから)
- 放射線物理学
- 放射線計測学
- 放射化学
この3科目は、他のすべての科目の「言語」です。
たとえば「光電効果」「コンプトン散乱」を理解していないと、撮影技術の画質調整も、治療の線量計算も、安全管理の遮蔽計算も理解できません。放射線物理学がわからない状態で他の科目を勉強するのは、英文法を知らずに英語長文を読むようなものです。
放射線計測学も同様です。「電離箱」「GM計数管」の原理を知らなければ、核医学の測定も、管理学の線量評価もただの暗記になります。
なぜ土台からやるべきか: 土台を理解していると、専門科目の「なぜそうなるか」が自然にわかります。暗記量が激減します。
第2層:専門科目(土台の上に積む)
- 診療画像機器学
- エックス線撮影技術学
- 診療画像検査学(MRI・超音波・眼底)
- 核医学検査技術学
- 放射線治療技術学
ここが国試の出題ボリュームの中心です。ただし、第1層の理解があれば、多くの内容が「なるほど、だからこうなるのか」と腑に落ちます。
たとえば、X線管の管電圧を上げると画像がどう変わるか。放射線物理学で「高エネルギーになるとコンプトン散乱が優位になる」と理解していれば、「コントラストが下がる」理由が自然にわかります。暗記不要です。
第3層:横断科目(最後に仕上げる)
- 基礎医学大要
- 放射線生物学
- 医用工学
- 画像工学
- 医用画像情報学
- 放射線安全管理学
これらは独立性が高いか、第1層・第2層の知識があれば短期間で仕上がる科目です。
特に安全管理学は、法令の数値暗記が多い科目ですが、放射線物理学と計測学を理解していれば「なぜこの基準値なのか」が見えてきます。たとえば管理区域の基準「1.3 mSv/3ヶ月」は、年間5 mSvを四半期で割った値。計測の知識があれば、ただの数字ではなく意味のある基準として記憶に残ります。
「苦手科目」と「できていない科目」は違う
ここで重要な区別があります。
- 苦手科目 = 勉強したけど点が取れない科目
- できていない科目 = そもそも勉強していない科目
「安全管理学が苦手です」という人の多くは、実は安全管理学が苦手なのではなく、土台の放射線物理学が不十分なのです。
科目別の正答率が低いとき、まず疑うべきは「その科目の勉強が足りない」ではなく、**「前提となる土台科目が不十分ではないか」**です。
下の図は、科目間の依存関係を示したものです。放射線物理学が中心にあり、ほぼすべての科目に知識が波及していることがわかります。

優先順位の決め方:3ステップ

ステップ1:まず1年分を通しで解く
最新の過去問1回分(200問)を時間を計って解きます。点数は気にしません。目的は科目別の正答率を出すことです。
過去問の正しい使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ステップ2:科目別正答率を「層」ごとに確認する
第1層(物理・計測・化学)の正答率が60%未満なら、他の科目より先にここを固めます。土台が不安定なまま専門科目をやっても、暗記勝負になるだけです。
第1層が60%を超えているなら、第2層で正答率の低い科目から手をつけます。
ステップ3:「伸びしろ」で優先する
正答率が30%の科目と70%の科目があったら、30%の科目を優先します。30%→60%にする方が、70%→90%にするより短時間で済むからです。
合格ラインは総得点120点(およそ6割)。すべての科目で60%を超えることが最優先で、特定の科目を90%にする必要はありません。
よくある間違い
「得意科目を伸ばして苦手科目をカバーする」
放射線技師国試には科目別の足切りはありませんが、この戦略は危険です。得意科目は90%→95%にしても5点しか増えません。苦手科目を40%→60%にすれば20点増えます。苦手科目を潰す方が、はるかに効率的です。
「基礎医学大要は医学だから最初にやるべき」
科目名に「基礎」とありますが、放射線技術の基礎ではありません。解剖学・生理学・病理学の知識で、他の科目との依存関係は薄いです。出題数も少ないため、後回しにして問題ありません。
「法令は直前に詰め込めばいい」
安全管理学の数値は確かに暗記要素が多いですが、「なぜその数値なのか」を理解していると記憶の持ちが全く違います。直前の丸暗記では本番でど忘れするリスクがあります。土台科目を学んだ後、ある程度余裕を持って取り組みましょう。
合格ラボで科目戦略を組み立てる
合格ラボは、ここまで紹介した科目別の戦略をアプリが自動でサポートします。
- ロードマップ: 全7パスの学習順序を示します。どのステップからでも始められます(無料は最初の6ステップまで/全7パスはPro)
- 科目別レーダーチャート: 11科目の正答率を一目で確認。どこが弱いか一瞬でわかります
- 間隔反復: 不正解なら翌日、正解なら3日後→7日後、と次に解き直す日を記録します(詳しくはこちら)
- AI解説: 「なぜその答えになるか」をその場で解説。土台科目の理解を深めながら進められます(無料は最初の5問まで)
ただし、弱点科目を優先して出題する機能はありません。正答率で弱点を見えるようにするところまでがアプリの仕事で、どの科目から潰すかは自分で決める形です。
「何周するか」より「何を優先するか」。合格ラボは、その判断材料と学習順序の並びを用意します。
第74回以降の過去問はすべて無料で解けます。
まとめ
- 11科目を均等に勉強するのは非効率
- 科目は「土台→専門→横断」の3層構造で考える
- 土台(物理・計測・化学)が不十分だと、専門科目が暗記勝負になる
- 「苦手科目」の原因は、その科目ではなく土台科目にあることが多い
- まず1年分を通しで解いて、科目別の正答率を出す
- 正答率が低い科目=「伸びしろ」として優先的に対策する
国試合格のカギは、全科目を完璧にすることではなく、弱点を効率よく潰すことです。
学習スケジュールの立て方については、いつから始める?月別スケジュールも参考にしてください。
過去問に丸はついたのに、「で、なぜ?」が残る—— あれを残したままだと、聞かれ方を変えられた瞬間に止まります。覚えた量が足りないのではなく、「なぜ」が一段繋がっていないだけです。
合格ラボでは、国試の1問を「なぜそうなるか」まで分解したものを、1本まるごと置いてあります。筆者(田爪・元技師)が手で作ったもので、登録は要りません。15分ほどです。
聞かれ方を変えられても手が止まらない状態を、週1問から。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
この記事で学んだことを、アプリで実践する
ブログで読めること
- - 科目ごとの攻略法と考え方
- - 合格率のデータと、その読み方
- - 勉強スケジュールの立て方
アプリでできること
- → 1問ずつ「なぜその答えになるか」を図で追える(無料は10問まで)
- → 第74回以降の過去問と模擬試験を解ける
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