難化と易化は交互に来る。それでも合格ラインは120点で動かない
過去13回の合格率は74.0〜87.0%の間で動いています。直近の第78回は76.2%で、前年の84.7%から8.5ポイント下がりました。難化と易化は、おおむね交互に来ています。
第78回の新卒は83.8%、既卒は約20.1%。4分の1以下です。一度落ちると学校の授業がなくなり、仕事をしながらの独学になります。在学中に決めきるのが、いちばん確率が高い。
合格ラインは総得点120点で毎年固定です(満点はおよそ200点)。上位何%という相対評価ではないので、周りではなく自分の弱点を潰せば届きます。難化年に受かる人は「なぜ」を理解し、苦手科目を放置していません。
結論:合格率は74〜87%。「普通にやれば受かる」は危険
放射線技師の国試は、合格率だけ見ると70〜80%台で推移しています。「8割近くが受かるなら大丈夫だろう」と思うかもしれません。
しかし、この数字には新卒と既卒の差が隠れています。新卒の合格率は80%台後半なのに対し、既卒は20%前後。つまり一発で受からなかった場合、翌年以降の合格はかなり難しくなるのが現実です。
2026年3月23日更新: 第78回の合格率は76.2%に急落しました。前年84.7%から8.5ポイントの大幅低下です。この記事のデータも第78回を含めて更新しています。
この記事のポイント
- 過去13回分の合格率データから「難化と易化は交互に来る」傾向を読み解く
- 新卒84〜92% vs 既卒19〜20%。一発合格がいかに重要かをデータで示す
- 合格ライン「総得点120点」の仕組みと、難化年でも受かる人の3つの共通点
目次
過去13回分の合格率推移
| 回 | 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第66回 | 2014 | 2,907 | 2,224 | 76.5% |
| 第67回 | 2015 | 2,839 | 2,094 | 73.8% |
| 第68回 | 2016 | 3,016 | 2,377 | 78.8% |
| 第69回 | 2017 | 2,939 | 2,511 | 85.4% |
| 第70回 | 2018 | 2,971 | 2,237 | 75.3% |
| 第71回 | 2019 | 3,202 | 2,537 | 79.2% |
| 第72回 | 2020 | 2,914 | 2,397 | 82.3% |
| 第73回 | 2021 | 2,953 | 2,184 | 74.0% |
| 第74回 | 2022 | 3,245 | 2,793 | 86.1% |
| 第75回 | 2023 | 3,224 | 2,805 | 87.0% |
| 第76回 | 2024 | 3,565 | 2,834 | 79.5% |
| 第77回 | 2025 | 3,729 | 3,159 | 84.7% |
| 第78回 | 2026 | 3,506 | 2,670 | 76.2% |
出典: 厚生労働省「診療放射線技師国家試験の合格発表について」
データから読み取れる3つの傾向

傾向1:難化と易化は交互にやってくる
合格率を並べると、パターンが見えます。
- 第67回 73.8%(難) → 第68回 78.8% → 第69回 85.4%(易)
- 第70回 75.3%(難) → 第71回 79.2% → 第72回 82.3%(易)
- 第73回 74.0%(難) → 第74回 86.1% → 第75回 87.0%(易)
- 第76回 79.5%(やや難) → 第77回 84.7%(やや易) → 第78回 76.2%(難)
難しい年の翌年は易しくなる傾向があります。これは出題委員が前年の合格率を見て調整しているためと考えられています。第78回はこのサイクルの「難」に該当し、予想通り合格率が低下しました。
ただし、「今年は易しいはず」と楽観するのは危険です。どの年に当たっても合格できる実力をつけることが最も確実な戦略です。
傾向2:合格ラインは固定(総得点120点)
放射線技師国試の合格基準は総得点120点以上(0点の科目が1科目以下)。この120点は毎年動きません。配点は1問1点で、満点のほうは採点除外の有無で少し動きます(第78回は1問が採点除外になり199点満点でした)。
「上位何%を合格にする」という相対評価ではなく、120点を超えれば全員合格する絶対評価です。つまり、周りの受験者ではなく自分自身の実力が問われます。
この仕組みは受験生にとって有利です。なぜなら:
- 他の受験者と競争する必要がない
- 自分の弱点を潰して120点を超えればいい
- 11科目すべてで90点を目指す必要はない
傾向3:受験者数は増加傾向
| 期間 | 平均受験者数 |
|---|---|
| 第66〜69回(2014-2017) | 2,925人 |
| 第70〜73回(2018-2021) | 3,010人 |
| 第74〜78回(2022-2026) | 3,410人 |
直近5回は平均3,400人台で推移しています。第77回は過去最多の3,729人でしたが、第78回は3,506人とやや減少しました。
受験者が増えても合格ラインは120点で変わりません。しかし、就職時の競争は激化するため、国試合格はもちろん、成績上位を目指す意識が重要になってきています。
新卒と既卒:合格率の決定的な差
厚生労働省が公表しているのは「全体」と「うち新卒者」の2つで、既卒はその差し引きで出します。第78回(2026年)のデータ:
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 新卒 | 3,084 | 2,585 | 83.8% |
| 既卒 | 422 | 85 | 約20.1% |
既卒の合格率は約20%。新卒の4分の1以下です。
これは「既卒者の実力が低い」というより、一度不合格になると勉強のモチベーションと環境を維持するのが難しくなることが主因です。学校の授業がなく、仕事をしながらの独学になり、周りに受験仲間もいなくなります。
だからこそ、在学中の一発合格を目指すことが最も重要です。もし不合格になってしまった場合の再挑戦戦略は不合格からの再挑戦ガイドで詳しく解説しています。
「難化した年」に合格する人がやっていること
合格率が下がった年(第67回、第70回、第73回、第76回)でも、合格ライン自体は120点で変わりません。難化したとき不合格になるのは、ギリギリの実力で勉強していた人です。
難化年に合格する人の共通点:
1. 暗記に頼らず「なぜ」を理解している
難化の正体は「問い方が変わる」ことです。知識そのものは変わりません。暗記だけで覚えていると、聞かれ方が変わった瞬間に対応できなくなります。
「なぜその答えになるのか」を理解していれば、問い方が変わっても正解にたどり着けます。これが過去問を「ただ繰り返す」のではなく「正しく使う」ことの意味です。
問い方の変化は、実際の問題文にあたるのがいちばん早いです。第75回 午前 問45なら登録なしで開けます(登録なしで開けるのはこの1問です)。
2. 苦手科目を放置していない
120点の合格ラインに対して、得意科目で稼いで苦手科目をカバーする戦略は難化年に崩壊します。得意科目も難化して稼げなくなり、苦手科目はさらに点が下がるからです。
安全な戦略は全科目で60%以上を目指すこと。苦手科目を早期に特定して重点的に対策します。
3. 間違えた問題を確実に復習している
「3周した」という回数ではなく、間違えた問題を忘れる前に復習しているかどうかが分かれ目です。エビングハウスの実験(1885年)では、1日後に残っていたのは3分の1ほどでした。無意味な綴りを本人1人で覚えた実験なので数字をそのまま国試に当てはめることはできませんが、放っておくと最初の1日でいちばん大きく落ちる、という形は変わりません。
間隔反復(SRS)は、「いつ復習すべきか」の管理を肩代わりする仕組みです。合格者が無意識にやっている「間違えたところを繰り返す」を、科学的なタイミングに乗せます。
第78回(2026年2月)の結果
第78回の合格率は**76.2%**でした。予想通り難化しましたが、「80%前後」という見立てを下回る厳しい結果となりました。
- 新卒合格率も83.8%と、前年の92.2%から大幅に低下
- 不合格者は836人。前年の約570人から47%増加
- 既卒合格率は約20.1%と依然として厳しい水準
第78回の詳しい分析と第79回に向けた対策は第78回の合格率速報記事をご覧ください。
過去のサイクルでは「難化の翌年は易化」する傾向がありますが、予想に頼るのではなくどの難易度でも120点を超えられる実力をつけることが最善の対策です。具体的な勉強スケジュールの立て方も参考にしてください。
このデータを見て、何をすべきか?
合格率のデータが示しているのは明確です。第78回は新卒83.8% vs 既卒20.1%。一発で合格しなければ、翌年以降はかなり厳しい。
では、一発合格の確率を上げるために今すぐできることは何か? この記事で紹介した「難化年でも合格する人の3つの共通点」を実践することです。
- 苦手科目を放置しない → 合格ラボの分析が、科目別の正答率をレーダーチャートで可視化します。全科目60%以上が目安です
- 「なぜ」を理解して応用力をつける → AI解説が「なぜその答えになるか」を1問ずつ解説。暗記ではなく理解を促進します(無料は最初の5問まで)
- 復習を仕組み化する → 間隔反復(SRS)が、解いた問題ごとに「次に解き直す日」を記録します。不正解なら翌日、正解なら3日後→7日後。忘れていそうな問題はマイページの「学習の記録」にまとまります
第74回以降の過去問はすべて無料で解けます。間隔反復も模擬試験も無料の範囲で使えます。
→ 今すぐ無料で始める(Googleアカウントで10秒・クレジットカード不要)
まとめ
- 放射線技師国試の合格率は74〜87%。10年平均は約80%
- 難化と易化は交互に来る傾向がある
- 合格ラインは毎年固定で総得点120点(およそ6割)
- 第78回は新卒83.8% vs 既卒20.1%。一発合格が圧倒的に有利
- 難化年に合格する人は「なぜ」を理解し、苦手科目を放置せず、復習を怠らない
- 第78回は76.2%に急落。応用問題の増加で暗記型の勉強では対応しきれない傾向が強まっている
同じ問題なら解けるのに、聞かれ方が変わると止まる。 覚えた量の問題じゃなくて、「なぜ」が一段繋がっていないだけなんです。僕も同じ国試を通った元技師で、いまは医療システムを作っています。それでも、1問の「なぜ」に長く止まったことがあります。
だから、国試の1問を「なぜそうなるか」までほどいたものを、1本まるごと置いてあります。手で作ったもので、登録は要りません。15分ほどです。
2027年2月、初見の問題で手が動く側に。
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
この記事で学んだことを、アプリで実践する
ブログで読めること
- - 科目ごとの攻略法と考え方
- - 合格率のデータと、その読み方
- - 勉強スケジュールの立て方
アプリでできること
- → 1問ずつ「なぜその答えになるか」を図で追える(無料は10問まで)
- → 第74回以降の過去問と模擬試験を解ける
- → 科目別の正答率が見える(全科目60%以上が目安)