模試、受ける前と後で何をするか
「放射線技師 模試」で検索して出てくる記事は、日程や合格率の紹介で終わっています。模試の使い方——受ける前に何を決め、返ってきた後に何をするか——を扱った記事は見当たりませんでした。
全国統一模擬試験は年3回。次の第2回は11月に実施予定です。点数だけ見て終わると、模試を受けた意味の半分が消えます。
受ける前に「何を測りたいか」を1つ決め、返ってきたら科目ごとの失点を出題数で割って「取りこぼし率」に直します。偏差値や判定は追いません。
模試は「合否の予告」ではなく「いま何を落としているかの標本」
模試の結果が返ってくると、多くの受験生がまず点数を見て、次に順位を見て、それで終わります。前回より上がっていればひと安心、下がっていれば焦る。気持ちはわかりますが、これだと模試を受けた意味の半分しか使っていません。
模試は「本番でこの点数が取れる」という予告ではありません。いま何を落としているかの標本です。標本である以上、何を測りたいかを決めずに受けると、点数という1つの数字しか手元に残らず、次に何をすればいいかがわかりません。
元・診療放射線技師として自分が受験生だったころも、最初の模試は判定だけ見て一喜一憂していました。点数を科目ごとの取りこぼしに分解するようになったのは、もう少し後です。この記事では、その分解のやり方を先に渡します。
次の全国統一模試は11月 ── 実施主体と日程を確認しておく
診療放射線技師国試向けの「全国統一模擬試験」は、株式会社シーイー・フォックスが実施しています。年3回の実施で、第1回は7月または9月(同一問題からの選択制)、第2回は11月、第3回は1月です。
公式サイトで確認できた範囲では、次の第2回は2026年11月4日〜21日の実施予定、第3回は2027年1月9日〜22日の実施予定です。日程は変更される場合があるため、正式な日付は公式サイトで確認してください。
受け方についても、確認できた事実だけ書いておきます。
- 会場ではなく、指定された試験期間内に自宅など任意の場所で受験する形式
- 受験後、マークシートの解答用紙を模試事務局宛に郵送で提出
- 成績表は申込時のメールアドレス宛に送付され、得点と全国順位が記載される(マークシート受領後、約2週間)
- 全体解説と選択肢別の解説が提供される
- 個人での申し込みのほか、大学や専門学校が一括で申し込んでいる場合もあるため、学校単位の案内があるかは所属校に確認するとよい
申し込みは回ごとに締切が設けられています(締切日までならキャンセルも可という記載があります)。ただし締切の具体的な日付と受験料の金額は公式サイトの記載からは確認できなかったので、この記事では書きません。申し込み前に公式サイトで直接確認してください。
受ける前に決めておく3つ
模試を「標本」として使うなら、受ける前にこの3つを決めておきます。決めていないと、返ってきた成績表を見ても「まあまあだった」で終わります。
| 決めておくこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 何を測りたいか | 時間配分か、科目の穴か、本番形式に慣れているかで、見る場所が変わる |
| 見直す時間の確保 | 自宅受験は会場受験と違い、終わった直後に緊張感が切れやすい。採点・見直しの時間を先にカレンダーに入れておく |
| 自己採点の粒度 | 「合ってた/間違えた」の2択ではなく、「合ってたけど選択肢で迷った」まで残しておくと、後で取りこぼし率に変換しやすい |
このうち一番効くのは1つ目です。「時間配分を見たい」のか「科目の穴を見たい」のかで、模試中に注意を向ける場所が変わります。両方を漠然と気にすると、どちらも中途半端になります。
過去問の周回のさせ方や復習のタイミングは過去問の正しい使い方で扱っていますが、模試はこれとは役割が違います。過去問は「解けるようにする」練習、模試は「いま解けているかを測る」検査です。混同すると、模試も過去問の延長で「周回する」ものだと考えてしまいます。
返ってきたら見るのは点数じゃない ── 科目ごとの「取りこぼし率」に直す
ここが本題です。成績表が届いたら、まず全体の点数は一度だけ確認して、そこから先は科目ごとの失点を出題数で割る作業に移ります。
やり方はシンプルです。
- 科目ごとに「その科目の出題数」と「その科目で落とした問題数」を数える
- 落とした問題数 ÷ 出題数 で「取りこぼし率」を出す
- 取りこぼし率が大きい科目から並べる
たとえば理工学・放射線科学が36問中15問の失点なら、取りこぼし率は約42%。診療画像検査学が20問中6問の失点なら約30%。総得点への影響は「取りこぼし率」だけでなく出題数の大きさにも左右されるので、この考え方は国試ボーダー120点、どこで作るかで扱った「出題数×落とし幅=失点期待値」の計算とそのままつながります。模試の結果でも同じ計算ができます。
実際、合格ラボの利用者の過去問正答率(n=14,839)でも、理工学・放射線科学は出題数が最多でありながら正答率が最も低く出ています(65.1%、全11科目の加重平均は70.2%)。🔴 これは合格ラボ利用者の実測であって、全国平均ではありません。ただ、模試でも同じ科目の取りこぼし率が高く出たなら、それはたまたまではなく傾向として疑ったほうがいい、という参考にはなります。
科目をまたいだ優先順位のつけ方そのものは科目選択の優先順位の決め方で整理しています。模試はこの優先順位を「実際の手ごたえ」で検証する場、という位置づけです。実際にどんな問われ方をしていたか確認したい場合は、第78回の問題一覧(登録なしで読めます)で番号順に見られます。
偏差値・判定を追わない理由
この模試の成績表に載るのは、確認できた範囲では得点と全国順位です。偏差値や判定についての記載は公式サイトに見当たりませんでした。学校の模試などで判定が付く場合もありますが、そこを追いかける優先度は高くない、というのがこの記事の立場です。
理由は単純です。模試の母集団は、その模試を申し込んで受けた人だけです。国試本番の母集団——その年に受験する全員——とは重なりはあっても、同じ集団ではありません。
偏差値や判定は「模試を受けた人の中でのいまの位置」を示すものです。本番での順位を保証するものではありません。断定はできませんが、模試ごとに母集団も変わる以上、判定の上下だけを追いかけても、それが本番での立ち位置の変化なのか、その回の母集団の違いによるものなのかは切り分けられません。
追うべきは判定の色より、同じ科目の取りこぼし率が前回の模試からどう変わったかです。ここは自分自身との比較なので、母集団の違いに影響されません。
まとめ
- 模試は合否の予告ではなく、いま何を落としているかの標本
- 全国統一模擬試験(株式会社シーイー・フォックス実施)は年3回、次の第2回は11月に実施予定。自宅受験・マークシート郵送・成績表は約2週間後にメール返送
- 受ける前に「何を測りたいか」「見直す時間の確保」「自己採点の粒度」の3つを決めておく
- 返ってきたら点数ではなく、**科目ごとの失点を出題数で割った「取りこぼし率」**に直して、大きい科目から並べる
- 合格ラボ利用者の実測(全国平均ではない)でも、理工学・放射線科学は出題数最多かつ正答率最低という傾向が出ている
- 偏差値・判定は模試を受けた人だけの母集団の中での位置。追うべきは判定の色より、取りこぼし率の前回からの変化
この記事を書いた人
田爪 大智
元・診療放射線技師(熊本で臨床経験)→ Webエンジニアに転身して独立。
第一種放射線取扱主任者。
1問を理解するのに2時間かかっていた経験から、腹落ちまでの時間を数分に縮める学習法を追求。
放射線技師の国試対策アプリ「合格ラボ」を一人で開発中。
診療放射線技師向けの業界メディアも作っています → tazume-medflow.jp
合格ラボ利用者の声
「暗記しなきゃという呪縛から解放されました」— 既卒・再受験のAさん
「勉強の順番があってありがたかった」— 新卒Bさん
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ブログで読めること
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